「ChatGPTは使っているけど、毎回同じようなプロンプトを打つのが面倒。自社の業務に特化したAIを作れないだろうか。」
その答えがGPTs(カスタムGPT)です。プログラミング不要で、自然言語の指示だけで「自社専用のAIアシスタント」が作れます。
WebLeapでは、社内業務用のGPTsを複数開発・展開し、問い合わせ対応、提案書作成補助、データ分析レポート生成などに活用しています。この記事では、GPTsの作り方から業務への組み込み方まで、実践的に解説します。
GPTsとは何か
GPTs(旧Custom GPTs)は、OpenAIが提供するChatGPTのカスタマイズ機能です。通常のChatGPTと異なり、以下の設定が可能です。
- Instructions: 役割、トーン、対応範囲をカスタム設定
- Knowledge: 自社の資料やデータをアップロードして参照させる
- Actions: 外部APIと連携して実際の処理を実行
つまり、「自社の知識を持ち、自社のルールに従い、自社のシステムと連携する」AIアシスタントが作れるということです。
GPTs作成の3ステップ
ステップ1:Instructions設計 — AIの「人格」を定義する
Instructionsは、GPTsの核となる設定です。ここで以下を明確にします。
1. 役割の定義
例:「あなたはWebLeapの営業アシスタントです」
2. 対応範囲の設定
例:「提案書の下書き作成、見積もり計算、FAQ回答を担当します」
3. トーンと制約
例:「丁寧な日本語で回答。不確かな情報は推測せず、確認を促す」
4. 出力フォーマット
例:「提案書は必ず以下のセクションで構成:背景→課題→提案→費用→スケジュール」
設計のコツ: Instructionsは長すぎると精度が落ちます。500〜1,500字程度に収め、最も重要なルールを上部に配置してください。
ステップ2:Knowledge設定 — AIに「知識」を与える
自社の資料をアップロードすることで、GPTsがその内容を参照して回答できるようになります。
アップロードに適した資料の例:
- 製品・サービスの概要資料
- FAQ集
- 営業トークスクリプト
- 社内規程・マニュアル
- 過去の提案書テンプレート
注意点: 機密性の高い情報(顧客の個人情報、未公開の財務情報など)のアップロードは慎重に。OpenAIのデータ取り扱いポリシーを確認した上で判断してください。
ステップ3:Actions連携 — AIを「実行者」にする
Actionsを設定すると、GPTsが外部サービスのAPIを呼び出せるようになります。
例えば:
- Google Sheetsのデータを取得・更新
- Slackにメッセージを投稿
- CRMの顧客情報を検索
- カレンダーの空き状況を確認
Actionsの設定にはAPI仕様(OpenAPI Schema)の記述が必要です。技術的なハードルは上がりますが、ここまでできると業務自動化のレベルが一段上がります。
WebLeapでのGPTs活用事例
事例1:提案書作成アシスタント
設計思想: クライアント情報を入力すると、WebLeapの提案テンプレートに沿った提案書の下書きを生成。過去の提案書パターンをKnowledgeに登録し、品質の均一化を実現。
効果: 提案書作成時間が1本あたり4時間→1.5時間に短縮。
事例2:社内FAQ Bot
設計思想: 社内規程、経費精算ルール、各種申請方法をKnowledgeに登録。「有給の申請方法は?」「出張精算の締め日は?」等の問い合わせに自動回答。
効果: 管理部門への問い合わせが月50件→10件に減少。
事例3:SEOコンテンツ構成案ジェネレーター
設計思想: ターゲットキーワードを入力すると、検索意図分析→競合構成分析→記事構成案の生成までを自動化。WebLeapのコンテンツ品質基準をInstructionsに組み込み済み。
効果: コンテンツ企画時間が1記事あたり3時間→40分に。このGPTsは、月間PV200→70万達成を支えたコンテンツ量産体制の基盤となりました。
GPTs設計でよくある失敗
失敗1:Instructionsの「詰め込みすぎ」
私が最初に作ったGPTsは、Instructionsに3,000字以上のルールを書き込みました。結果、指示が矛盾して意図しない回答が頻発。
教訓:Instructionsは「最も重要なルール5つ」に絞り、詳細はKnowledgeファイルで補足する構成がベストです。
失敗2:Knowledgeの「更新忘れ」
製品仕様が変わったのにKnowledgeファイルを更新し忘れ、GPTsが旧情報で回答していた事例がありました。月1回のKnowledge更新スケジュールを設定しましょう。
GPTsの社内展開を成功させるコツ
- 最初は1つの業務特化型から始める: 汎用的なGPTsは使われません
- 利用者に「何ができるか」を明示する: GPTsの冒頭メッセージで対応範囲を説明
- フィードバックループを回す: 利用者の声を集め、2週間ごとにInstructionsを改善
- 成功事例を社内共有する: 「このGPTsで○時間削減」を見える化
GPTs活用の将来展望
GPTsは現在も急速に進化しています。Actions連携の強化、マルチモーダル対応(画像・音声の入出力)など、できることは加速度的に増えています。
今のうちにGPTsの設計・運用ノウハウを蓄積しておくことは、企業のAI活用力の基盤となります。
現場からの一言
GPTsの本質は「自社の知識とルールをAIに教え込む」ことです。最も大切なのは、作る前に「このGPTsで何を解決するのか」を明確にすること。目的なきGPTsは使われないGPTsになります。1つの業務課題から始めてください。
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