「SEOは外注すべきですか、それとも自社でやるべきですか?」
この質問に対する私の答えは、いつも同じだ。「最終的には自社でやるべき。ただし、段階がある。」
私はWebLeap合同会社のCEOとして、PV200から月間70万PVへの成長を自社チームで実現した経験がある。その過程で学んだのは、インハウスSEOは「いきなり全部やる」のではなく、段階的に内製化の範囲を広げるのが成功の鍵だということだ。
本記事では、SEOの内製化を検討している経営者・マーケティング担当者に向けて、具体的なロードマップと判断基準を解説する。
なぜインハウスSEOが重要なのか
外注にはメリットがある。専門知識、ツール、経験値——これらを即座に活用できる。しかし、SEOは本質的に事業理解と深く結びついた施策だ。
自社の顧客が何に悩み、どんな言葉で検索し、何を知れば購買に至るか。この理解は、社内の人間のほうが圧倒的に深い。外注先にこの理解を完全に移転するのは難しく、結果として「一般的なSEO施策」に留まるケースが多い。
特にBtoB製造業のように専門性の高い領域では、業界知識 × SEOスキルの掛け合わせが成果を決める。業界知識は社内にあるのだから、SEOスキルを社内に持てば最強の組み合わせになる。
インハウスSEO — 4段階のロードマップ
第1段階: ツール導入と現状把握(1〜2ヶ月目)
最初にやるべきは、自社の現在地を正確に把握することだ。
必須ツール:
- Google Search Console(無料): 検索パフォーマンスの把握
- Google Analytics 4(無料): ユーザー行動の分析
- Ahrefs または SEMrush(有料): 競合分析・キーワード調査
私がPV200→70万を達成したプロジェクトで最初の1ヶ月にやったのは、Search Consoleのデータを徹底的に分析することだった。「すでに表示されているのにクリックされていないキーワード」を洗い出し、そこから着手した。新しいキーワードを狙う前に、既存の資産を活かす。 これが最も即効性のある施策だ。
第2段階: キーワード設計と記事企画(2〜3ヶ月目)
ツールで現状を把握したら、次はキーワード戦略を設計する。
やるべきこと:
- 自社の商品・サービスに関連するキーワードを網羅的に洗い出す
- 検索意図で分類する(情報収集/比較検討/購買意思決定)
- 優先順位をつける(検索ボリューム × コンバージョン期待値 × 競合難易度)
- 四半期分の記事企画を作成する
ここで重要なのは、検索ボリュームだけで判断しないこと。月間検索数50のキーワードでも、そのキーワードで検索する人の購買意欲が高ければ、月間1万のキーワードよりビジネスインパクトが大きい。
第3段階: コンテンツ制作体制の構築(3〜6ヶ月目)
記事を書く体制を作る。ここが最もリソースを要するフェーズだ。
体制パターン:
- パターンA: 社内の専門家がライティングも担当(品質◎、スケール△)
- パターンB: 社内専門家が監修、外部ライターが執筆(品質○、スケール○)
- パターンC: 編集者を1名採用し、外部ライターを束ねる(品質○、スケール◎)
私の経験では、最初はパターンAで始め、月10本以上のペースが必要になった時点でパターンBに移行するのが現実的だ。
第4段階: テクニカルSEOの内製化(6ヶ月目以降)
コンテンツ制作が安定したら、テクニカルSEOにも取り組む。
- サイト速度の改善
- 構造化データの実装
- 内部リンク設計の最適化
- クロール効率の改善
テクニカルSEOは開発チームとの連携が必要になる。エンジニアがSEOの基礎を理解しているかどうかで、施策のスピードが大きく変わる。
「自社でやるべき部分」と「プロに任せるべき部分」
すべてを内製化する必要はない。以下が判断の目安だ。
| 施策 | 自社でやるべき | プロに任せるべき |
|---|---|---|
| キーワード戦略の方向性 | ◎ | △ |
| 記事の企画・テーマ設定 | ◎ | △ |
| 専門性の高い記事の執筆 | ◎ | × |
| 一般的な記事の執筆 | △ | ◎ |
| テクニカルSEO監査 | △ | ◎ |
| 構造化データ実装 | △ | ◎ |
| SEO戦略の定期レビュー | ○ | ◎ |
事業の核心に近い部分は自社で、専門技術が必要な部分はプロと連携する。 これが最も費用対効果の高いアプローチだ。
よくある失敗 — 「とりあえず記事を量産」の罠
インハウスSEOで最も多い失敗パターンが、戦略なき記事量産だ。私も初期に経験した。「まずは100記事書こう」と決めて、キーワード設計が甘いまま記事を作り続けた結果、3ヶ月で50記事を公開したが、トラフィックはほとんど増えなかった。
原因は明確で、検索意図の分析が不十分だった。上位表示されている記事が何を、どのような構成で、どの程度の深さで解説しているかを分析せずに書いていた。
この失敗の後、「1記事に3倍の時間をかけて、本数を3分の1にする」方針に転換したところ、3ヶ月でトラフィックが5倍になった。
インハウスSEOの成功に必要な3つの条件
- 経営層のコミットメント: SEOは6ヶ月以上の時間軸で成果が出る施策。短期的なROIを求められると頓挫する
- 専任(または兼任でも一定時間を確保した)担当者: 片手間では成果が出ない。最低でも週20時間はSEOに充てられる体制が必要
- 学習と改善のサイクル: 毎月の振り返りで「何が効いたか」「何が効かなかったか」を分析し、次の施策に反映する
現場の一言
インハウスSEOは、一朝一夕には完成しない。しかし、段階的に内製化を進めれば、外注では到達できないレベルの成果を出せるようになる。私が月間70万PVを達成できたのも、事業理解の深さを活かしたコンテンツ戦略があったからこそだ。まずはSearch Consoleを開くところから始めてほしい。
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